生徒様 講評

summer autumn
平瀬さんの作品
左「夏のアイス」
右「秋のシュークリーム」

まずは、フェイクスイーツの完成度の高さに感嘆します!
スタイリングとしても、作品をシンプルに見せる点で、よく表現できていたのではないでしょうか。

考えることとして(難しい点でもありますが)、
アイスは手芸作品だと分かるので、このスタイリングが見やすくて良いと思うのですが、
シュークリームが精巧な作りなので、お菓子と間違われない何かが必要かなと思いました。
お菓子の写真として勘違いして見てしまうと、お皿も使わないで…とマイナス方向に意識が向かってしまうので、
これがフェイクスイーツだとわかる何かが欲しいというのが、欲を言えば言えてしまうかな。
入っているアイテムとして、手芸用品とか。
実際の本になった場合は、文字で補ったり、
一冊まるまるフェイススイーツなので、誰もが「お菓子ではない」と分かるのですが、
1枚の写真で見せるのは、本当に難しいことです。

あとは、シュークリームのサイズが分からないということ。
いっそのこと、後ろのブリキ缶がもっと大きければ、
(もしくは、大きいシュークリームが入っていたり、ティーカップなど、
一般の人がみてわかるサイズを比較するものが入っていたら)
このシュークリームが「小さくて、精巧で、可愛い」が表現できたのではないかと感じました。
ブリキ缶だと、いろいろなサイズのものがあるのと、
モミの木の実は、分からない人には、松ぼっくりと大差がないので、
写真だけで見て、三次元の世界でのサイズがわかるようだと尚いいなと思いました。

スタイリングのアイテムあわせは、うまくまとまっていて、季節感を出せていると思います。
初回にしては、かなり上出来だと思います。
コーディネート編でも楽しみにお待ちしていますね。

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早見さんの作品

かわいいキャンデーとキャンデーボックスで、テーマ「お菓子」を考えてみました。
写真的には、ピント位置、絞りの選択が◎
小さいものなので、背景があまりハッキリ写りすぎていると、主題が弱まると思うので、強すぎず、弱すぎずで、良かったのではないでしょうか。

右写真のドット柄のフェルトを活かすスタイリングが何か、というのは、別スタイリングで考えたほうがよさそうです。
たとえば、キャンデーの散らばせ方と、模様がかぶってしまうので、
いっそのこと、俯瞰(真上から撮る)図で、フェルトが背景、キャンデーが中心部分に凝縮しているとか、
ある程度の個数で、まとめて、水玉の大小のように見せるなど、工夫が必要だったかなと思います。
お送りいただいた画像がすべて同じ位置からの撮影のように見えました。
「小さいものがいっぱい」なので、もっと寄った構図も欲しかったかなと思います。

それと、かなり辛口な講評になりますが、
フェルトの柄のPOPさを活かすなら、POPなイメージでまとめたほうが、
スタイリングとして成功だったのではないでしょうか。
アンティークさ(窓枠)や、ナチュラルさ(かごとバジル)が邪魔をしてしまっているのが、若干、残念です。
なので、もう少し、寄った構図で、色のインパクトを増しても良かったかな、と思いました。

背景にいれたほうがいいのか、いれないほうがいいのか、というのは、イメージの戦略をたてて、取り組んでいきましょう!
左の写真は、下地が白なので、色の印象が中和された感があり、キャンデーの可愛さが出せていると思います。

今後のコーディネート編でも、いろいろなことに取り組まれてくださいね。

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三瓶さんの作品

キューブボックスのカステラと、夏の涼しげなお菓子の2パターンを仕上げました。
パッケージに入ったままのお菓子を撮影することは、お店の販売用の写真以外では、あまりないことなので、
そこにこだわりがあったのかな?と思いました。
たとえば、パッケージデザインを仕事にしておられるとか?

カステラのほうが、スタイリングの意味で難しかったと思います。
カステラは馴染みがあるお菓子であるゆえ、「どこの店の」という情報を与えるためには、
パッケージは必要であったのだろう、と思う反面、
カステラの美味しさを伝えるには、もうちょっと踏み込んだ感じが必要だったのではないかと思います。臨場感というか、肉迫感というか。お皿に盛り付けたものが1個あって、
後ろにパッケージが並んでいるというスタイリングも欲しいところです。

涼夏のイメージのお菓子は、出してしまうと、斜めには見せられないので、
このスタイリングはありだと思います。
欲を言うと、パッケージkら、出したほうが透明感はでたのではないかと思うので、そちらも見たいところでした。

露出、構図、ピントが良かったと思います。
涼しげなお菓子のほうは、もう少し、左に偏った感じで盛付けをして、器の左線が角まで出ている構図も欲しかったです。
そのほうが形がすべて見えるので、落ち着いて見えます。

集中力と真面目な取り組み方が持ち味だと思います。
今度は、三瓶さんのカメラで、いろいろな物にチャレンジしてくださいね!

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大場さんの作品

大場さんに限らずですが、被写体選びは、とても性格が現れるものだなと思います。
陽気なイメージに仕上がりました。
可愛い動物のマカロンのチカラに負けない、背景のナフキンの色の奇抜さが、非常にマッチしていると思いました。
色の隣りあわせにくるものを分散させて、考えているのもいいですね。(色は全体に散らばっていると、賑やかな印象が高まります)

俯瞰撮影(真上からみた図)向きなスタイリングなので、これ以外のスタイリングが考えられたのかなというところは、
今後の課題だと思います。
最初から、文字を入れるスペースを考えて、構図を取っていたところも◎

斜めの角度が45度ぐらいで、いやらしさがないのが良いです。
(角から角を狙うと、非常に策を感じてしまい、いやらしく感じます)
これは、斜め構図においてもいえることです。

大場さんの強みは、柔軟性のある前向きさだと思いますので、
これから、こだわりが強くなりすぎていくと、いろいろなものの吸収ができない心配がありますが、
それがなさそうで、貪欲に、写真ライフを楽しまれて欲しいと思います。

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苫名さんの作品

ドーナツ、マシュマロという組み合わせが難しそうな食べ物を、よくまとめたと思います。
器に盛り付けたことが、カジュアルなお菓子だけど、お行儀のよさを出しているように感じます。
よりインパクトの強い、主役感を出すために、ドーナツ2個でも良かったかもしれません。

露出を、ドーナツ主役で合わせたのが良かったと思います。
ドーナツはどちらかというと暗い色、マシュマロは明るい色と、
明暗差があるので、どちらも綺麗に写真におさめることは難易度が高いです。
主役感をもった露出の選び方、これは大事なことなので、これからも、その感性を大事にしてください。

右のより写真は、ドーナツの下まで入っていると良かったかな、というのが惜しい点です。
この構図だと、箱にピントが合っていて、のほうがおさまりが良かったかも。

スタイリングとして、ストーリー性を感じさせることは必要だと思いますので、
背景に家具が入っていることがよかったのかどうか、そこは疑問です。
いっそのこと、ナチュラルテイストか、カジュアルテイストのテーブルクロスをしいて、
テーブルトップだけで完結させたほうが、イメージを出せたかもしれません。

赤ちゃんが生まれたら、ベビーフォトも撮れる時間があるといいなぁ~
毎日、少しでもカメラに触る時間があることは、腕が上がると思いますので、
ぜひぜひ、お母さんにしか撮れない写真を、一瞬を逃さず、撮ってくださいね。
あっというまに、大きくなってしまいますから。(毎日、接してる家族には分からないみたいですが、
たまに、生徒さんのお子さんや、講師のお子さんにお目にかかると、ビックリします)
こないだまで、ハイハイしてたのにねぇ…と感慨深いものが。
安産をお祈りしております。お身体くれぐれもご自愛ください。